水道水質検査
水道水の安全性を確保する上で、水質検査は重要な役割を担っています。
水道法第4条に基づく水質基準は、水質基準に関する省令(平成15年5月30日厚生労働省令第101号)により、定められています。水道水は、水質基準に適合するものでなければならず、水道法により、水道事業体等に検査の義務が課せられています。
ビル管理法に基づく水質検査
ビル管理法とは、正式名称を「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」といい、定期的な水質検査が義務付けられています。
建築物衛生法における水質検査案内
水源の分類 |
検査頻度 |
検査項目数 |
番号 |
検査項目名 |
B.
地
下
水
そ
の
他
の
A
以
外
の
水
を
全
部
又
は
一
部
と
す
る |
A.
水
道
水
又
は
専
用
水
道 |
6ヶ月に1回 *1省略可能項目は、適合した場合に次回(6ヶ月後)の検査を省略可能 |
11項目省略不可 |
1 |
一般細菌 |
2 |
大腸菌 |
9 |
亜硝酸態窒素 |
11 |
硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素 |
38 |
塩化物イオン |
46 |
有機物(全有機炭素TOC) |
47 |
pH値 |
48 |
味 |
49 |
臭気 |
50 |
色度 |
51 |
濁度 |
5項目省略可能 *1 |
6 |
鉛及びその化合物 |
32 |
亜鉛及びその化合物 |
34 |
鉄及びその化合物 |
35 |
銅及びその化合物 |
40 |
蒸発残留物 |
1年に1回6/1 ~ 9/30の時期 |
12項目(消毒副生成物) |
10 |
シアン化物イオン及び塩化シアン |
21 |
塩素酸 |
22 |
クロロ酢酸 |
23 |
クロロホルム |
24 |
ジクロロ酢酸 |
25 |
ジブロモクロロメタン |
26 |
臭素酸 |
27 |
総トリハロメタン |
28 |
トリクロロ酢酸 |
29 |
ブロモジクロロメタン |
30 |
ブロモホルム |
31 |
ホルムアルデヒド |
3年に1回 |
7項目(有機化学物質) |
14 |
四塩化炭素 |
16 |
シス-1,2-ジクロロエチレン及び ト ランス-1,2-ジクロロエチレン |
17 |
ジクロロメタン |
18 |
テトラクロロエチレン |
19 |
トリクロロエチレン |
20 |
ベンゼン |
45 |
フェノール類 |
|
給水の開始前 |
51項目(全項目) |
|
|
特定建築物の定義
次のすべての用件を満たす建築物を「特定建築物」として定義。
浴槽水水質検査
浴槽水の衛生管理のために、浴槽水水質検査項目とその基準値が定められています。
公衆浴場における衛生基準
水質基準
原水・原湯・上がり用水・上がり用湯
検査項目名 |
基準値 |
色度 |
5度以下であること |
濁度 |
2度以下であること |
水素イオン濃度 |
5.8~8.6であること |
過マンガン酸カリウム消費量 |
10mg/L以下であること |
(全有機炭素の量)※ |
(3mg/L以下であること)※ |
大腸菌群 |
不検出/50mL |
(大腸菌)※ |
(検出されない事)※ |
レジオネラ属菌 |
10 CFU/100mL未満であること |
※ 京都市公衆浴場法に基づく衛生上必要な措置の基準などに関する条例に基づく場合は、()内の検査項目に換えて検査が必要となります。
浴槽水
検査項目名 |
基準値 |
濁度 |
5度以下であること |
過マンガン酸カリウム消費量 |
25mg/L以下であること |
大腸菌群 |
1個/mL以下であること |
レジオネラ属菌 |
10 CFU/100mL未満であること |
検査頻度
原水、原湯、上がり用水、上がり用湯、循環ろ過装置を使用していない浴槽水及び毎日完全換水型循環浴槽水は1年に1回以上、連日使用型循環浴槽水は 1年に2回以上(浴槽水の消毒が塩素消毒でない場合、1年に4回以上)水質検査を行い、衛生管理が適切に行われているか確認すること。
(厚生労働省 生衛発第1811号)
『原水』とは原湯の原料とする水及び浴槽水の温度を調整する目的で浴槽に直接注入されるべき冷水をいう。
- 原湯
- 浴槽水に直接注入されるべき温水をいう。ただし、循環ろ過方式等により浴槽水が還流される場合の温水は除く。
- 上がり用湯
- 上がり湯用湯栓(シャワー等を含む)から供給される温水をいう。
- 上がり用水
- 上がり湯用水栓(シャワー等を含む)から供給される冷水をいう。
プール水質検査
プールの衛生管理のために、プール水質検査項目とその基準値が定められています。
遊泳用プールの衛生基準
水質基準
平成19年5月28日 厚生労働省健発第0528003号
検査頻度 |
検査項目数 |
検査項目名 |
基準値 |
毎 月 に 1 回 以 上 |
6 項 目 |
遊離残留塩素 *1 |
0.4mg/L以上であること また、1.0mg/L以下が望ましい |
水素イオン濃度 |
5.8以上 8.6以下 |
濁度 |
2度以下 *2 |
過マンガン酸カリウム消費量 |
12mg/L以下 |
大腸菌 |
検出されないこと |
一般細菌数 |
200CFU/mL以下 |
毎 年 に 1 回 以 上 *3 |
5 項 目 |
クロロホルム |
– |
ジブロモクロロメタン |
– |
ブロモジクロロメタン |
– |
ブロモホルム |
– |
総トリハロメタン |
暫定目標値 0.2mg/L以下が望ましい |
平成13年9月11日 厚生労働省健発第95号
毎年に1回以上 |
レジオネラ属菌 *4 |
10CFU/100mL未満 |
- *1:二酸化塩素消毒の場合は二酸化塩素濃度は、0.1mg/L以上0.4mg/L以下、また、亜塩素酸濃度は1.2mg/L以下であること。
- *2:循環ろ過装置出口0.5度以下(施設基準)
- *3:総トリハロメタンの測定時期については、通年営業又は夏期営業のプールにあっては6月~9月までの間、それ以外の時期に営業するプールにあっては水温が高めの時期とすること。
- *4:気泡浴槽、採暖槽等の設備その他のエアロゾル(水の微粒子)を発生させやすい設備又は、水温が比較的高めの設備がある場合。
定義
遊泳用プールとは、多数人の遊泳に用いられ、プール本体の容量がおおむね100㎥以上の施設をいう。
小規模プールとは、多数人の遊泳に用いられ、プール本体の容量が100㎥に満たない施設をいう。
ただし、学校保健法に基づき管理されている学校プール及び専ら遊戯用に設置されている保育所等の仮設プールを除く。
河川水、工場排水
河川、湖沼等の公共用水域の水質汚濁に係る環境基準項目について、水質検査を行います。また、事業場等から出た排水が水質汚濁防止法等の各関係法令基準に適合しているかを確認するため、定期的に水質検査を行う必要があります。
環境基準
人の健康の保護に関する環境基準項目
生活環境の保全に関する環境基準
地下水の水質汚濁に係る環境基準
排水基準(水質汚濁防止法)
一律排水基準
公共下水道へ排除する場合の水質基準
公共下水道へ排出する場合の水質基準につきましては、排水量及び業種により異なります。