腸内細菌検査/ノロウイルス検査

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腸内細菌検査

定期的な腸内細菌検査(検便)や食品検査および拭き取り検査の実施は、食中毒を未然に防止する手段の一つです。
食中毒を引き起こす原因菌は数多く存在しますが、検便では主に赤痢菌・サルモネラ菌・腸管出血性大腸菌などの検索をします。

検査項目例

保菌 赤痢菌
サルモネラ属菌(腸チフス・パラチフス含む)
腸管出血性大腸菌 O-26
O-111
O-128
O-157
 ※O-157のみか4種類すべてかを選択
その他食中毒原因菌 カンピロバクター
腸炎ビブリオ
黄色ブドウ球菌
虫卵 回虫卵など
その他 コレラ菌
大腸菌血清型別試験
Vero毒素試験

注)上記項目は当研究所の検査内容であり、細菌はその他にも数多く存在します。

注)厚生労働省の大量調理マニュアルでは、腸管出血性大腸菌を推奨しています。

菌の特徴

腸管出血性大腸菌(O-26、O-111、O-128、O-157)

  • 代表的なものに「O-157」がありますが、「O-26」・「O-111」も同じ仲間の菌であり注意が必要です。
  • 感染力が非常に強く、わずかな菌数を摂取しただけでも発症します。
  • 食肉や井戸水、野菜、果物に付着していることもあります。
  • 主な感染症状は下痢、腹痛、発熱など。HUS(溶血性尿毒症症候群)を発症することもあります。
  • 腸管出血性大腸菌が陽性の場合、Vero毒素試験を検査する必要があります。

サルモネラ属菌

  • 鶏、豚、牛などの動物の腸管に生息しています。また、ペットの腸管にも生息していることがあります。
  • 鶏卵を使用した食品(だし巻き、マヨネーズ、ケーキ、シュークリームなど)が食中毒の原因となることがあります。
  • 主な感染症状は腹痛、下痢、嘔吐、発熱などです。

カンピロバクター

  • 家畜(主に鶏や牛)の腸管内にかなりの確率で生息しており、解体処理される時に食肉部を汚染します。
  • 低温、低酸素でも生息可能で、食中毒菌として最も発生件数が多いです。
  • 主な感染症状は腹痛、下痢、嘔吐、発熱などです。頭痛や筋肉痛になることもあります。

黄色ブドウ球菌

  • 人の手にある傷や鼻の中、頭髪、咽頭などに潜伏します。
  • 菌が増殖するときにエンテロトキシンという毒素を産生します。この毒素は100℃で30分加熱しても分解されません。
  • おにぎり、弁当、生菓子など、手指を介して汚染された食品により食中毒が発生します。

腸炎ビブリオ

  • 海水(塩水)を好み、海水温度が20℃以上になると活発に増殖するため、夏季にとれる魚介類に潜伏していることが多いです。
  • 至適温度になると他の菌の2倍以上の速さで増殖しますが、真水や酸に弱いです。
  • 主な感染症状は激しい腹痛(特に上腹部痛)、下痢(水様で激しい)、嘔吐、発熱などです。

ノロウイルス検査

特徴

原因 牡蠣など 牡蠣などの二枚貝を汚染し、冬場の食中毒の原因となります。
症状 吐き気
嘔吐
下痢
腹痛
発熱
抵抗力の弱い子供や高齢者では重症化する場合があります。
保育所や高齢者施設、宿泊施設などでは十分な注意が必要です。
注意 感染拡大 感染していても症状がでないこともあります。
この場合、感染に気付かずウイルスを撒き散らす恐れがあります。
予防 次亜塩素酸ナトリウム溶液 特効薬やワクチンがないため、予防に努めることが 感染防止につながります。
アルコール消毒は通用しませんので、次亜塩素酸ナトリウム溶液での消毒が必要です。

検査方法

ノロウイルス検査には数種類の検査方法があります。

遺伝子検査 ごく少量のウイルス量でも検出が可能です。
大量調理施設衛生管理マニュアルにも対応している検査方法(リアルタイムPCR法)です。
抗原検査 比較的低価格で簡易的な検査方法(イムノクロマト法)です。
ただし、遺伝子検査に比べ検出感度が低くなります。

当研究所では検出感度が最も高いとされるリアルタイムPCR法(遺伝子検査)と低価格なイムノクロマト法(抗原検査)を実施しております。

消毒液の作り方

ここでは台所用塩素系漂白剤(5%を原液とした場合)とペットボトルを利用した消毒液(次亜塩素酸ナトリウム)の作り方をご紹介いたします。

使用するときは十分な換気をしてください。また酸性のもの(トイレ用洗剤など)と混ぜると有毒な塩素ガスが発生するので、絶対に混ぜないようにしてください。

ご使用の際は必ずビニール手袋などを使用してください。皮膚に付着した場合は、直ちに大量の水で十分洗い流してください。目に入った場合も直ちに大量の水で洗い流し、医師の診断を受けてください。

金属に使用した場合、錆びることがありますので、消毒後水で洗い流すか、拭き取るなどしてください。

通常のお掃除用

(調理器具やドアノブ、手摺りなど)

1リットルのペットボトルに水を入れ、キャップ1杯弱(5ml)の漂白剤を加える。

汚染がひどい場所用

(嘔吐物や糞便が付いた床、衣類など)

500ミリリットルのペットボトルに水を入れ、キャップ2杯(10ml)の漂白剤を加える。